特別養護老人ホームをはじめとした要介護度の高い利用者が多く生活する介護施設においては、身体介護の際に事故が発生するリスクが高くなるため、日々気を引き締めて業務に臨むことが重要となります。特に、体格が良い利用者のトイレ介助や入浴介助をスムーズにこなすには、車いすや手すり、スロープなどを上手く利用したり、それぞれの利用者の身体特性を予めよく理解したりするのがポイントです。また、質の高い介護サービスを提供するために、普段から身体介助に関するスキルを身につけるだけでなく、担当の利用者にこまめに声掛けをして悩みや不安がないかどうか確認をすることも大事です。

体力にあまり自信がない人や介護の仕事の経験が浅い人は、体位変換やベッド移乗の度に他のスタッフに手伝ってもらったり、介助のコツを教えてもらったりすることも大事です。若手の介護職員が多く働いている介護施設では、要介護度の高い利用者に適切に接することができるよう、定期的に業務研修を行ったり、ベテランのスタッフによる個別指導をしたりしているところも少なくありません。なお、要介護度の高い利用者と関わった機会が少ない人は、職場で研修を受けるだけでなく、自主的に介護関係のセミナーや勉強会に顔を出すのも有効です。その他、利用者と接する中で体調の変化に気付いた場合には、自分で安易な判断をせずに同じ施設内で働く看護師などの医療従事者にすぐに報告をする必要があります。